この記事では、環境計量士試験の過去問について、問題文・解答・解説を掲載しています。
過去問のPDFは、経済産業省などの公式ページで公開されている資料をもとに確認し、学習しやすいように1問ずつ解説しています。
なお、問題文の表記はできるだけ原文に沿っていますが、学習しやすさを重視して一部レイアウトを整えている場合があります。
正確な出題内容を確認したい場合は、公式に公開されているPDFもあわせて確認してください。
環境計量士 第76回 環化 問題16
問16 実在気体のファンデルワールス状態方程式は、理想気体の状態方程式を補正して、以下のとおり示される。
(P + an²/V²)(V − bn) = nRT
ここで、Pは気体の圧力、Vは体積、Tは絶対温度、nは物質量、Rは気体定数、aとbはファンデルワールス定数である。
この式の中の a と b は、実在気体のどのような因子を反映した定数であるか。次の中から最も適切な組合せを一つ選べ。
| 番号 | a | b |
|---|---|---|
| 1 | 分子の運動エネルギー | 分子の極性 |
| 2 | 分子の衝突頻度 | 分子の体積 |
| 3 | 分子の衝突頻度 | 分子の速度 |
| 4 | 分子間の引力 | 分子の極性 |
| 5 | 分子間の引力 | 分子の体積 |
解答
解答:5
ファンデルワールス状態方程式は、理想気体の状態方程式
PV = nRT
を、実在気体に近づけるために補正した式です。
問題文の式は、次のように表されます。
(P + an²/V²)(V − bn) = nRT
ここで、
P:気体の圧力
V:体積
T:絶対温度
n:物質量
R:気体定数
a、b:ファンデルワールス定数
を表します。
理想気体では、分子自身の体積は無視でき、分子間には引力がないと考えます。
しかし、実在気体では、分子には大きさがあり、分子どうしの間には引力も働きます。
そのため、ファンデルワールス状態方程式では、圧力と体積をそれぞれ補正しています。
a が表すもの
式の中の
P + an²/V²
の部分は、圧力の補正を表しています。
実在気体では、分子どうしに引力が働くため、分子が容器の壁に衝突する力が理想気体の場合よりも小さくなります。
つまり、実際に観測される圧力は、理想気体として考えた場合よりも小さくなります。
そこで、その分を補正するために、
an²/V²
を加えています。
したがって、a は分子間の引力を反映した定数です。
b が表すもの
式の中の
V − bn
の部分は、体積の補正を表しています。
実在気体では、分子そのものに体積があります。
そのため、気体分子が自由に動き回れる空間は、容器全体の体積 V よりも小さくなります。
そこで、分子自身が占める体積分を差し引くために、
V − bn
としています。
したがって、b は分子の体積を反映した定数です。
よって、
a:分子間の引力
b:分子の体積
の組合せが正しいです。
したがって、解答は 5 です。
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