環境計量士 第76回 環化 問題18|混合気体の色の変化【過去問解説】

この記事では、環境計量士試験の過去問について、問題文・解答・解説を掲載しています。

過去問のPDFは、経済産業省などの公式ページで公開されている資料をもとに確認し、学習しやすいように1問ずつ解説しています。

なお、問題文の表記はできるだけ原文に沿っていますが、学習しやすさを重視して一部レイアウトを整えている場合があります。

正確な出題内容を確認したい場合は、公式に公開されているPDFもあわせて確認してください。

目次

環境計量士 第76回 環化 問題18

問18 図のように、先端をゴム栓で閉じて密閉したシリンジ内で、二酸化窒素と四酸化二窒素の混合気体が 2NO₂ (g) ⇄ N₂O₄ (g) で表される平衡状態で存在している。このシリンジのピストンを素早く押し下げて混合気体の体積を半分にした後の混合気体の色の変化として、最も適当なものを一つ選べ。なお、二酸化窒素と四酸化二窒素の気体はそれぞれ赤褐色と無色である。また、ゴム栓はこれらの気体と反応せず、ピストンを押し下げても混合気体の温度は変わらないものとする。

1 ピストンを押し下げた後に赤褐色が徐々に薄くなる。

2 ピストンを押し下げた後に赤褐色が徐々に濃くなる。

3 ピストンを押し下げた直後に赤褐色が一時的に薄くなるが、その後濃くなる。

4 ピストンを押し下げた直後に赤褐色が一時的に濃くなるが、その後薄くなる。

5 ピストンを押し下げても赤褐色の濃さに変化はない。

解答

解答:4

この問題は、気体の平衡に対して、体積を小さくしたときに平衡がどちらへ移動するかを考える問題です。

反応式は、

2NO₂(g) ⇄ N₂O₄(g)

です。

ここで、

NO₂(二酸化窒素):赤褐色
N₂O₄(四酸化二窒素):無色

です。

つまり、赤褐色が濃く見えるほど NO₂ が多い ということになります。


まず、ピストンを素早く押し下げて体積を半分にすると、混合気体は圧縮されます。

この直後は、まだ平衡が移動する前なので、NO₂の物質量そのものはすぐには減っていません。

しかし、体積が半分になるため、単位体積あたりのNO₂の量、つまり濃度は大きくなります。

そのため、ピストンを押し下げた直後は、赤褐色が一時的に濃くなります。


次に、その後の変化を考えます。

体積を小さくすると、圧力が高くなります。

気体の平衡では、圧力が高くなると、気体の分子数が少ない側へ平衡が移動します。

反応式を見ると、

2NO₂(g) ⇄ N₂O₄(g)

左辺は NO₂ が 2 mol、右辺は N₂O₄ が 1 mol です。

したがって、圧力が高くなると、分子数の少ない右側、つまり N₂O₄ ができる向き に平衡が移動します。


右側へ平衡が移動すると、赤褐色の NO₂ が減り、無色の N₂O₄ が増えます。

そのため、圧縮直後にいったん濃くなった赤褐色は、その後、平衡が移動するにつれて 薄くなります。


したがって、色の変化は、

ピストンを押し下げた直後に赤褐色が一時的に濃くなる
その後、NO₂が減って赤褐色が薄くなる

となります。

よって、正しい選択肢は、

4 ピストンを押し下げた直後に赤褐色が一時的に濃くなるが、その後薄くなる。

です。

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