この記事では、環境計量士試験の過去問について、問題文・解答・解説を掲載しています。
過去問のPDFは、経済産業省などの公式ページで公開されている資料をもとに確認し、学習しやすいように1問ずつ解説しています。
なお、問題文の表記はできるだけ原文に沿っていますが、学習しやすさを重視して一部レイアウトを整えている場合があります。
正確な出題内容を確認したい場合は、公式に公開されているPDFもあわせて確認してください。
環境計量士 第76回 環音 問題9
問9 「JIS Z 8733 音響-音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法-反射面上の準自由音場における実用測定方法」に規定された内容に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。
1 測定表面は、仮想的な半球面又は部分半球面のみに限定される。
2 環境補正値 K2 は、数値的には2 dB以下でなければならない。
3 時間重み特性Sで測定した音圧レベルの変動が±1 dB未満である場合、その最大レベルと最小レベルの算術平均を時間平均音圧レベルとしてもよい。
4 複数のマイクロホン位置上でパワー平均した暗騒音のレベルは、測定されるべき音圧レベルよりも、少なくとも6 dBは低くなければならない。
5 160 Hz以下を中心とする周波数バンドに対しては、測定時間は少なくとも30秒とし、200 Hz以上を中心とする周波数バンドに対しては、測定時間は少なくとも10秒とする。
解答
1は誤った記述です。測定表面は、騒音源を取り囲むように設定する仮想的な表面です。JIS Z 8733では、半球面または部分半球面だけでなく、基準箱と各面が平行になる平行六面体の測定表面も使用できます。実際に同規格の附属書Cには、平行六面体測定表面上のマイクロホン配列が規定されています。したがって、「半球面又は部分半球面のみに限定される」という部分が誤りです。
2は正しい記述です。環境補正値 K2 は、測定環境に存在する反射音や吸音の影響を補正するための値です。この規格に適合した測定を行うためには、K2 が2dB以下でなければなりません。2dBを超える場合は、測定表面を小さくしたり、試験環境を改善したりする必要があります。
3は正しい記述です。時間重み特性Sで測定した音圧レベルの変動が±1dB未満であれば、レベルの変動が小さいと判断できます。この場合は、測定された最大レベルと最小レベルの算術平均を時間平均音圧レベルとして使用できます。
4は正しい記述です。暗騒音とは、測定対象の騒音源以外から発生する音や測定器の電気雑音などを含む背景の騒音です。暗騒音の影響を適切に補正するため、複数のマイクロホン位置でパワー平均した暗騒音レベルは、測定対象の音圧レベルよりも少なくとも6dB低いことが必要です。差が小さすぎると、測定結果に暗騒音が大きく影響し、対象音源だけの音響パワーレベルを正確に算出できません。
5は正しい記述です。低い周波数の音は変動周期が長いため、安定した測定値を得るには、より長い測定時間が必要です。そのため、160Hz以下を中心とする周波数バンドでは少なくとも30秒、200Hz以上を中心とする周波数バンドでは少なくとも10秒の測定時間が必要とされています。
以上より、平行六面体の測定表面も使用できるため、誤っているものは1です。

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