環境計量士 第76回 環濃 問題11|排ガス中の酸素自動計測器【過去問解説】

環境計量士第76回(濃環)問題11

この記事では、環境計量士試験の過去問について、問題文・解答・解説を掲載しています。

過去問のPDFは、経済産業省などの公式ページで公開されている資料をもとに確認し、学習しやすいように1問ずつ解説しています。

なお、問題文の表記はできるだけ原文に沿っていますが、学習しやすさを重視して一部レイアウトを整えている場合があります。

正確な出題内容を確認したい場合は、公式に公開されているPDFもあわせて確認してください。

目次

環境計量士 第76回 環濃 問題11

問11 「JIS B 7983 排ガス中の酸素自動計測器」に規定されている計測器に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。

1 磁気風分析計では、磁極を用いて測定セル内及び比較セル内に同じ強さの磁界を加える。

2 ダンベル形磁気力分析計は、ダンベルと試料ガス中の酸素との、磁化の強さの差によって生じるダンベルの偏位量を検出する。

3 ジルコニア分析計では、電気炉を用いて検出器を高温度に保持する。

4 分析計のゼロ及びスパンの校正を一定周期ごとに自動的に行わせる自動校正器を付加してもよい。

5 ジルコニア方式は、高温において酸素と反応する可燃性ガスの影響を無視できる場合又は影響を除去できる場合に適用できる。

解答

解答:1

この問題は、排ガス中の酸素自動計測器に関する問題です。
誤っているものは 1 です。

選択肢1では、

磁気風分析計では、磁極を用いて測定セル内及び比較セル内に同じ強さの磁界を加える。

とあります。

ここが誤りです。

磁気風分析計は、酸素が磁石に引き寄せられる性質、つまり常磁性を利用した酸素計です。

酸素は常磁性体なので、磁界の中に引き寄せられます。
この性質を利用して、測定セル内で酸素濃度に応じた気流、いわゆる磁気風を発生させます。

ただし、選択肢1のように、

測定セル内及び比較セル内に同じ強さの磁界を加える

という説明は適切ではありません。

磁気風分析計では、測定ガス中の酸素濃度によって生じる磁気的な流れや温度変化などを利用して測定します。
測定セルと比較セルに同じ強さの磁界を加えるという説明は、磁気風分析計の説明として誤りです。


磁気風分析計とは

磁気風分析計は、酸素の常磁性を利用します。

酸素は磁界中に引き寄せられる性質があります。
そのため、磁界をかけると、酸素を含むガスが磁界の強い部分へ引き寄せられます。

このとき、加熱された部分などで酸素の磁化率が変化し、ガスの流れが発生します。
この流れを利用して酸素濃度を測定するのが、磁気風分析計です。

つまりポイントは、

酸素の常磁性を利用して、磁気風を発生させる

ということです。


他の選択肢の確認

選択肢2:正しい

ダンベル形磁気力分析計は、ダンベルと試料ガス中の酸素との、磁化の強さの差によって生じるダンベルの偏位量を検出する。

これは正しいです。

ダンベル形磁気力分析計も、酸素の常磁性を利用する酸素分析計です。
酸素は磁界に引き寄せられますが、ダンベル部分との磁化の差によって力が生じ、その偏位量を検出します。

酸素濃度が高いほど、磁界中で発生する力も変化します。
その変化を利用して酸素濃度を測定します。


選択肢3:正しい

ジルコニア分析計では、電気炉を用いて検出器を高温度に保持する。

これも正しいです。

ジルコニア分析計は、酸素イオン伝導性を利用する酸素計です。
ジルコニア素子は高温で酸素イオンを通しやすくなるため、検出器を高温に保つ必要があります。

そのため、電気炉などを用いて検出器を高温に保持します。


選択肢4:正しい

分析計のゼロ及びスパンの校正を一定周期ごとに自動的に行わせる自動校正器を付加してもよい。

これも正しいです。

酸素自動計測器では、測定値のずれを防ぐために、ゼロ点やスパンの校正が必要です。
この校正を一定周期ごとに自動で行うため、自動校正器を付けることがあります。


選択肢5:正しい

ジルコニア方式は、高温において酸素と反応する可燃性ガスの影響を無視できる場合又は影響を除去できる場合に適用できる。

これも正しいです。

ジルコニア方式は高温で測定するため、試料ガス中に可燃性ガスがあると、酸素と反応してしまうことがあります。

すると、本来測定したい酸素濃度よりも低く出る可能性があります。

そのため、ジルコニア方式は、

可燃性ガスの影響を無視できる場合
又は影響を除去できる場合

に適用できます。

この問題のポイントは、酸素計の方式ごとの特徴です。

方式特徴
磁気風分析計酸素の常磁性を利用し、磁気風を利用して測定する
ダンベル形磁気力分析計酸素との磁化の差によるダンベルの偏位を検出する
ジルコニア分析計高温での酸素イオン伝導性を利用する
自動校正器ゼロ・スパン校正を自動で行う装置

選択肢1は、磁気風分析計について、

測定セル内及び比較セル内に同じ強さの磁界を加える

としている点が誤りです。

したがって、解答は 1 です。

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