この記事では、環境計量士試験の過去問について、問題文・解答・解説を掲載しています。
過去問のPDFは、経済産業省などの公式ページで公開されている資料をもとに確認し、学習しやすいように1問ずつ解説しています。
なお、問題文の表記はできるだけ原文に沿っていますが、学習しやすさを重視して一部レイアウトを整えている場合があります。
正確な出題内容を確認したい場合は、公式に公開されているPDFもあわせて確認してください。
環境計量士 第76回 環化 問題13
問13 濃硝酸と濃硫酸の混合物を用いてトルエンのニトロ化反応を行ったとき、主に生成する二種類のモノニトロ化合物の構造式の組合せとして正しいものを一つ選べ。

解答
解答:5
この問題は、トルエンをニトロ化したときに主にできる位置異性体を問う問題です。
トルエンは、ベンゼン環に メチル基(CH₃) がついた化合物です。
濃硝酸と濃硫酸の混合物を使うと、ニトロ化反応が起こり、ベンゼン環に ニトロ基(NO₂) が置換します。
このとき重要なのは、もともとついている メチル基(CH₃) の性質です。
メチル基は、ベンゼン環に対して オルト・パラ配向性 を示します。
つまり、ニトロ基はメチル基に対して、
- オルト位
- パラ位
につきやすくなります。
オルト位・メタ位・パラ位とは
トルエンの CH₃ を基準にすると、
すぐ隣の位置 がオルト位です。
1つ飛ばした位置 がメタ位です。
真向かいの位置 がパラ位です。
トルエンのニトロ化で主に生成するもの
トルエンをニトロ化すると、主に次の2種類が生成します。
o-ニトロトルエン
メチル基のすぐ隣にニトロ基がついたものです。
p-ニトロトルエン
メチル基の反対側にニトロ基がついたものです。
したがって、主生成物は、
オルト体とパラ体
です。
選択肢5では、左側が オルト位 にNO₂がついた構造、右側が パラ位 にNO₂がついた構造になっています。
そのため、正しい組合せは 5 です。
他の選択肢が違う理由
1
左側はニトロベンゼンで、CH₃がありません。トルエンのニトロ化生成物ではありません。
2・3
左側に CH₂NO₂ がついています。これはベンゼン環にNO₂が置換した構造ではなく、側鎖部分が変化したような形です。通常のトルエンのニトロ化では、ベンゼン環にNO₂が入ります。
4
メタ体とパラ体の組合せです。トルエンのメチル基はメタ配向性ではなく、オルト・パラ配向性なので不適切です。
よって、トルエンのニトロ化で主に生成する二種類のモノニトロ化合物は、o-ニトロトルエンとp-ニトロトルエンです。
解答は5です。
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