この記事では、環境計量士試験の過去問について、問題文・解答・解説を掲載しています。
過去問のPDFは、経済産業省などの公式ページで公開されている資料をもとに確認し、学習しやすいように1問ずつ解説しています。
なお、問題文の表記はできるだけ原文に沿っていますが、学習しやすさを重視して一部レイアウトを整えている場合があります。
正確な出題内容を確認したい場合は、公式に公開されているPDFもあわせて確認してください。
環境計量士 第76回 環濃 問題1
問 1 以下の表は、「JIS K 0122 イオン電極測定方法通則」に記載されたイオン電極の種類の例を示している。表中の(ア)〜(ウ)に入る電極の種類の組合せとして、正しいものを一つ選べ。
| 電極の種類 | 電極の形式 | 応答こう配* | 測定 pH 範囲 |
|---|---|---|---|
| (ア) | 固体膜電極 | −25〜−30 | 13〜14 |
| (イ) | 固体膜電極(単結晶) | −50〜−60 | 5〜8 |
| (ウ) | 液体膜電極 | 50〜60 | 4〜8 |
*応答こう配は mV/10倍濃度変化(25 ℃)で表した値である。
| 番号 | (ア) | (イ) | (ウ) |
|---|---|---|---|
| 1 | CN⁻ | F⁻ | NO₃⁻ |
| 2 | Na⁺ | Cl⁻ | NH₄⁺ |
| 3 | CN⁻ | S²⁻ | Ca²⁺ |
| 4 | S²⁻ | Na⁺ | NO₃⁻ |
| 5 | S²⁻ | F⁻ | NH₄⁺ |
解答
正しい組合せは、
(ア)S²⁻、(イ)F⁻、(ウ)NH₄⁺
です。この問題では、イオン電極の電極の形式、応答こう配、測定pH範囲から、どのイオンを測定する電極かを判断します。
(ア)固体膜電極、応答こう配 −25〜−30、pH 13〜14
応答こう配が −25〜−30 mV/10倍濃度変化 となっている点がポイントです。
イオン電極の応答こう配は、イオンの価数によっておおよそ決まります。
25 ℃では、1価イオンなら約 59 mV、2価イオンなら約 29.5 mV です。
また、陰イオンでは符号がマイナスになります。
つまり、
- 1価の陰イオン:およそ −59 mV
- 2価の陰イオン:およそ −29.5 mV
となります。
表の(ア)は −25〜−30 なので、2価の陰イオンを測定する電極と考えられます。
選択肢の中で2価の陰イオンは S²⁻ です。
したがって、
(ア)= S²⁻
となります。
(イ)固体膜電極(単結晶)、応答こう配 −50〜−60、pH 5〜8
(イ)は、電極の形式が 固体膜電極(単結晶) です。
代表的な単結晶膜電極として有名なのが、フッ化物イオン電極です。
フッ化物イオン F⁻ は1価の陰イオンなので、応答こう配はおよそ −59 mV になります。
表の値も −50〜−60 なので一致します。
したがって、
(イ)= F⁻
です。
(ウ)液体膜電極、応答こう配 50〜60、pH 4〜8
(ウ)は、電極の形式が 液体膜電極 です。
応答こう配が 50〜60 と正の値なので、測定対象は1価の陽イオンと考えられます。
選択肢の中で、液体膜電極の例として適切で、1価の陽イオンなのは NH₄⁺ です。
NH₄⁺はアンモニウムイオンで、1価の陽イオンなので、応答こう配はおよそ +59 mV になります。
したがって、
(ウ)= NH₄⁺
です。
| 記号 | 電極の特徴 | 該当するイオン |
|---|---|---|
| (ア) | 固体膜電極、2価陰イオン、−25〜−30 | S²⁻ |
| (イ) | 固体膜電極(単結晶)、1価陰イオン、−50〜−60 | F⁻ |
| (ウ) | 液体膜電極、1価陽イオン、50〜60 | NH₄⁺ |
よって、正しい選択肢は
5 S²⁻、F⁻、NH₄⁺
です。

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