この記事では、環境計量士試験の過去問について、問題文・解答・解説を掲載しています。
過去問のPDFは、経済産業省などの公式ページで公開されている資料をもとに確認し、学習しやすいように1問ずつ解説しています。
なお、問題文の表記はできるだけ原文に沿っていますが、学習しやすさを重視して一部レイアウトを整えている場合があります。
正確な出題内容を確認したい場合は、公式に公開されているPDFもあわせて確認してください。
環境計量士 第76回 環音 問題1
問1 音波の伝搬に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。
1 温度が同じであれば、空気より密度の大きい気体中の音の速さは、空気中より速い。
2 同じ気体であれば、温度が低いほど音の速さは遅くなる。
3 温度 0 ℃、気圧 101.325 kPa、相対湿度 50 %における空気中の音の速さは、約 331.5 m/s である。
4 水中の音の速さは、20 ℃で約 1.5 km/s である。
5 縦波の速さは、空気中よりも固体中のほうが速い。
解答
解答1
音の速さは、単純に「密度が大きいほど速くなる」とは決まりません。音の速さは、物質の弾性の大きさと密度の両方によって決まります。
流体中の音の速さ c は、一般に次の式で表されます。c=ρK
- K:体積弾性率
- ρ:密度
この式から、弾性率が同じであれば、密度が大きくなるほど音の速さは遅くなることが分かります。
また、理想気体中の音の速さは、次の式で表されます。c=MγRT
- γ:比熱比
- R:気体定数
- T:絶対温度
- M:モル質量
同じ温度で比較した場合、モル質量が大きい気体ほど、一般に音の速さは遅くなります。例えば、二酸化炭素は空気より密度が大きいものの、音の速さは空気中より遅くなります。
したがって、「空気より密度の大きい気体では、音の速さが空気中より速い」とする1は誤りです。
2について
同じ気体では、音の速さは絶対温度の平方根に比例します。c∝T
そのため、温度が低くなるほど分子の運動が小さくなり、音の速さも遅くなります。したがって、正しい記述です。
3について
空気中の音の速さは、0 ℃付近では約331.5 m/sです。気圧101.325 kPaは標準大気圧であり、相対湿度50%の条件を含めても、おおむねこの値となります。
したがって、正しい記述です。
4について
20 ℃の水中における音の速さは、約1,480 m/sです。1,480 m/s≈1.5 km/s
したがって、正しい記述です。
5について
固体は、空気よりも弾性率が非常に大きいため、縦波は一般に空気中より速く伝わります。
例えば、音の速さはおおよそ次のとおりです。
- 空気中:約340 m/s
- 水中:約1,500 m/s
- 鋼中:約5,900 m/s
したがって、正しい記述です。

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