この記事では、環境計量士試験の過去問について、問題文・解答・解説を掲載しています。
過去問のPDFは、経済産業省などの公式ページで公開されている資料をもとに確認し、学習しやすいように1問ずつ解説しています。
なお、問題文の表記はできるだけ原文に沿っていますが、学習しやすさを重視して一部レイアウトを整えている場合があります。
正確な出題内容を確認したい場合は、公式に公開されているPDFもあわせて確認してください。
環境計量士 第76回 環音 問題3
問3 人の聴覚に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。
1 最小可聴値とは、指定された音が、評定者の聴覚を起こし得るときのその音の最小音圧レベルである。
2 音の大きさ 1 phon は、平面波として前方から提示された音圧レベル 40 dB、周波数 1000 Hz の純音の大きさに等しい。
3 マスキングとは、他の音の存在によって、ある音の聴覚閾値が上昇する現象である。
4 長時間の騒音暴露などによって難聴になると最小可聴値が上昇する。
5 等ラウドネス曲線とは、正常聴覚をもつ評定者に、ある特定の種類の音を特定の方法で提示したときに、同じ大きさの感覚を生じさせる音の音圧レベルを、横軸に周波数をとって結んだ曲線である。
解答
解答は 2 です。
音の大きさのレベルを表す単位が「phon(フォン)」です。phonの値は、対象となる音と同じ大きさに聞こえる周波数1000 Hzの純音の音圧レベルによって定められます。
例えば、ある音が、音圧レベル40 dBの1000 Hzの純音と同じ大きさに聞こえる場合、その音の大きさのレベルは、40 phon
です。
したがって、音圧レベル40 dB、周波数1000 Hzの純音に対応する音の大きさは「1 phon」ではなく、40 phon
となります。
一般に、周波数1000 Hzの純音では、音の大きさのレベルのphon値と音圧レベルのdB値が一致します。つまり、1 phon
に相当するのは、周波数1000 Hzにおける音圧レベル1 dBの純音です。
よって、「音の大きさ1 phonは、音圧レベル40 dB、周波数1000 Hzの純音の大きさに等しい」とする選択肢2は誤りです。
選択肢1の最小可聴値とは、人が音として聞き取ることのできる最小の音圧レベルをいいます。聴覚閾値とも呼ばれ、音の周波数によって異なります。したがって、選択肢1は正しい記述です。
選択肢3のマスキングとは、ある音が存在することで、別の音が聞こえにくくなり、その音を聞き取るために必要な音圧レベルが高くなる現象です。つまり、他の音の存在によって聴覚閾値が上昇するため、選択肢3は正しい記述です。
選択肢4について、長時間にわたって大きな騒音にさらされると、聴力が低下して小さな音を聞き取りにくくなることがあります。その結果、音を聞き取るために、より高い音圧レベルが必要となり、最小可聴値が上昇します。したがって、選択肢4は正しい記述です。
選択肢5の等ラウドネス曲線は、周波数の異なる音が同じ大きさに聞こえるときの音圧レベルを結んだ曲線です。人間の耳の感度は周波数によって異なるため、同じ音圧レベルであっても、周波数が異なれば同じ大きさには聞こえません。
例えば、低周波数の音は、1000 Hz付近の音と同じ大きさに感じるために、より高い音圧レベルが必要になります。選択肢5は、この等ラウドネス曲線の内容を正しく説明しています。

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