環境計量士 第76回 環濃 問題10|ガス状水銀の湿式吸収-還元気化原子吸光分析法【過去問解説】

環境計量士第76回(環濃)問題10

この記事では、環境計量士試験の過去問について、問題文・解答・解説を掲載しています。

過去問のPDFは、経済産業省などの公式ページで公開されている資料をもとに確認し、学習しやすいように1問ずつ解説しています。

なお、問題文の表記はできるだけ原文に沿っていますが、学習しやすさを重視して一部レイアウトを整えている場合があります。

正確な出題内容を確認したい場合は、公式に公開されているPDFもあわせて確認してください。

目次

環境計量士 第76回 環濃 問題10

問10 「JIS K 0222 排ガス中の水銀分析方法」に規定されているガス状水銀の湿式吸収-還元気化原子吸光分析法に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。

1 排ガス中のガス状水銀を硫酸酸性過マンガン酸カリウム溶液に吸収させて捕集する。

2 サンプリングにおいて、吸収液の過マンガン酸カリウムの色が完全に消失するまで吸引する。

3 装置は、原子吸光測定装置、還元容器、吸収セル、空気ポンプ、流量計、乾燥管、連結管などで構成する。

4 試料溶液の適量を還元容器にとり、硫酸及び塩化すず(Ⅱ)溶液を添加し、空気を流し、発生した水銀を吸収セルに導く。

5 発生した水銀の波長 253.7 nm における吸収を原子吸光法により測定する。

解答

解答:2

この問題は、排ガス中のガス状水銀を測定する湿式吸収-還元気化原子吸光分析法についての問題です。

誤っているのは 2 です。

選択肢2では、

サンプリングにおいて、吸収液の過マンガン酸カリウムの色が完全に消失するまで吸引する。

とあります。

これは誤りです。

過マンガン酸カリウム溶液は、水銀を捕集・酸化するために使われます。
このとき、過マンガン酸カリウムの色が完全に消失してしまうと、酸化力が失われた状態になります。

つまり、吸収液の色が消失するまで吸引してしまうと、水銀を十分に捕集できなくなるおそれがあります。

そのため、サンプリングでは、過マンガン酸カリウムの色が完全に消失するまで吸引してはいけません。

選択肢2の「完全に消失するまで吸引する」という部分が誤りです。

他の選択肢の確認

1は正しいです。
排ガス中のガス状水銀は、硫酸酸性過マンガン酸カリウム溶液に吸収させて捕集します。過マンガン酸カリウムの酸化作用により、水銀を溶液中に保持します。

3も正しいです。
湿式吸収-還元気化原子吸光分析法の装置は、原子吸光測定装置、還元容器、吸収セル、空気ポンプ、流量計、乾燥管、連結管などで構成されます。

4も正しいです。
試料溶液に硫酸と塩化すず(Ⅱ)溶液を加えることで、水銀イオンを金属水銀に還元します。発生した水銀蒸気を空気で吸収セルへ導きます。

5も正しいです。
発生した水銀は、波長 253.7 nm における吸収を原子吸光法で測定します。水銀分析で重要な測定波長です。

まとめ

過マンガン酸カリウム溶液は、水銀を捕集するための酸化剤です。
その色が完全に消失するまで吸引してしまうと、酸化力が失われ、水銀を正しく捕集できない可能性があります。

したがって、誤っている記述は 2 です。

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