この記事では、環境計量士試験の過去問について、問題文・解答・解説を掲載しています。
過去問のPDFは、経済産業省などの公式ページで公開されている資料をもとに確認し、学習しやすいように1問ずつ解説しています。
なお、問題文の表記はできるだけ原文に沿っていますが、学習しやすさを重視して一部レイアウトを整えている場合があります。
正確な出題内容を確認したい場合は、公式に公開されているPDFもあわせて確認してください。
環境計量士 第76回 環濃 問題12
問12 トリクロロエチレン標準液(質量濃度 100 mg/L)1.00 mL を全量ピペットではかりとり、全量フラスコを用いて 100.00 mL に希釈する。希釈操作により得られたトリクロロエチレン標準液の質量濃度の合成標準不確かさとして最も近いものを、次の中から一つ選べ。ただし、全量ピペットおよび全量フラスコの公差(許容誤差)はそれぞれ ±0.01 mL および ±0.01 mL とし、標準不確かさは矩形分布(一様分布)を仮定して計算する。また、前出の公差以外の不確かさ要因は考慮しない。なお、√3 = 1.73 とする。
1 2.0×10⁻² mg/L
2 1.7×10⁻² mg/L
3 1.0×10⁻² mg/L
4 8.3×10⁻³ mg/L
5 5.8×10⁻³ mg/L
解答
解答:5
この問題は、希釈操作によって得られる標準液の質量濃度の合成標準不確かさを求める問題です。
ポイントは、全量ピペットと全量フラスコの公差から、それぞれの標準不確かさを求めて、希釈後濃度に伝ぱさせることです。
まず希釈後の濃度を求める
もとの標準液は、
100 mg/L
これを 1.00 mL はかりとり、100.00 mL に希釈しています。
したがって、希釈後の濃度は、100×100.001.00=1.00 mg/L
です。
各器具の標準不確かさを求める
公差が ±0.01 mL で、矩形分布(一様分布)を仮定する場合、標準不確かさは次の式で求めます。u=3a
ここで、a は公差です。
今回は、a=0.01 mL
なので、u=1.730.01=0.0058 mL
となります。
全量ピペットも全量フラスコも公差は ±0.01 mL なので、標準不確かさはどちらも 0.0058 mL です。
相対標準不確かさを求める
希釈後濃度は、C=C0×V2V1
で表されます。
今回は、もとの濃度 C0 の不確かさは考えないので、体積 V1 と V2 の不確かさだけを考えます。
全量ピペットの相対標準不確かさ
1.000.0058=0.0058
全量フラスコの相対標準不確かさ
100.000.0058=0.000058
合成相対標準不確かさを求める
掛け算・割り算の場合は、相対標準不確かさを二乗和平方根で合成します。(0.0058)2+(0.000058)2
ここで、全量フラスコの相対不確かさ 0.000058 は、全量ピペットの 0.0058 に比べてかなり小さいです。
そのため、ほぼ0.0058
となります。
濃度の合成標準不確かさを求める
希釈後濃度は、1.00 mg/L
なので、1.00×0.0058=0.0058 mg/L
したがって、5.8×10−3 mg/L
となります。
まとめ
この問題では、
- 希釈後濃度は 1.00 mg/L
- 公差 ±0.01 mL の標準不確かさは 0.01/√3 = 0.0058 mL
- 1.00 mL のピペットの不確かさが支配的
- 合成標準不確かさは 5.8×10⁻³ mg/L
よって、解答は 5 です。

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